【69】伸長成長&肥大成長
植物ホルモンの”ジベレリン”や”ブラシノステロイド”、”エチレン”は、細胞膜のすぐ内側にある微小管(繊維状のタンパク質)の配置を決める。
微小管の配置が決まると、細胞壁を作るセルロース(繊維状の多糖類)の配置が決まる。
次いでオーキシン(植物ホルモン)が働くと、細胞は吸水&膨張がはじまるけれど、硬いセルロース(多糖類)の繊維方向によって、細胞が”伸長成長”するか、”肥大成長”するかが決まる。
【補足】
- ジベレリン(細胞の伸長成長、種子の発芽、果実の形成などを促進する植物ホルモン。イネの馬鹿苗病菌から発見された。種なしブドウの生産に利用されている。)
- ブラシノステロイド(細胞の伸長成長を促進する植物ホルモン。)
- エチレン(細胞の肥大成長、果実の成熟、落葉の際の”離層形成”などを促進する植物ホルモン。低分子で揮発性がある。)
- オーキシン(細胞の成長を促す植物ホルモン。細胞のよって成長に適したオーキシン濃度はそれぞれ異なる。)
- 微小管(多数のタンパク質”チューブリン”が結合した繊維状のタンパク質。最も太い細胞骨格。鞭毛、細胞分裂の際の”紡錘糸”、ニューロンでのシナプス小胞の輸送など、様々な場面で活躍している。)
- セルロース(植物の細胞壁の主成分。多数のグルコースが結合した多糖類。)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
- 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂