【98】気孔の開閉
孔辺細胞のフォトトロピン(光受容体)が青色光を受容すると、細胞内のK+濃度が上昇して細胞内の浸透圧が増加し、孔辺細胞が吸水して気孔が開く。一方、乾燥などでアブシシン酸(植物ホルモン)が増加すると、細胞内のK+濃度が低下して細胞内の浸透圧が減少し、孔辺細胞が脱水して気孔が閉じる。
孔辺細胞の細胞壁は気孔側が厚くて伸び難いため、孔辺細胞が吸水すると湾曲し、向かい合う孔辺細胞の間に“気孔”が開く。
【補足】
- 全透膜(細胞壁は”ザル”)
- 半透膜(細胞膜やセロハン膜など、高分子は通し&低分子は通さない膜)
- 浸透圧(ある溶液が水を”引き込む”力。様々な溶質を含んだ溶液の全体的な”濃さ”を表している。)
- 高張液(浸透圧の高い溶液)
- 等張液(浸透圧が等しい溶液)
- 低張液(浸透圧の低い溶液)
- 原形質分離(細胞が脱水して”縮む”ことで細胞膜が細胞壁から離れてしまう現象)
- 限界原形質分離(細胞膜が細胞壁から離れる寸前の状態)
- 生理食塩水(ヒトの細胞と等張の約0.9%食塩水)
- 溶血(赤血球が、吸水&破裂する現象)
- 溶菌(細菌の細胞壁が分解されて、吸水&破裂する現象)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店