【43】眼の形成
“眼”の「網膜&視神経」と「水晶体(レンズ)」と「角膜」は、“誘導の連鎖”によって段階的に造られる。

①「原口背唇部」(背側の中胚葉)が陥入すると、「原口背唇部」自体は「脊索」に分化する一方で、背側の外胚葉から「神経管」を誘導する。
②「神経管」(背側の外胚葉)の一部が膨らんで「眼胞」になると、「眼胞」自体は「眼杯」→「網膜」に分化する一方で、表皮(外胚葉)を「水晶体(レンズ)」に誘導する。
③「水晶体(レンズ)」は、さらに表皮から「角膜」を誘導する。

【補足】
- 内胚葉(胞胚期の植物半球の細胞から、将来は消化管の内壁に分化する。)
- 中胚葉(胞胚期の帯域の細胞から、将来は骨や筋肉などに分化して、内胚葉や外胚葉を“裏打ち”する。)
- 外胚葉(胞胚の動物半球の細胞から、将来は神経に分化する。神経にならなかった外胚葉は、表皮に分化する。)
- 形成体(発生の過程で、隣接する胚葉を、特定の組織へ分化させる働きを持つ。オーガナイザー。)
- 誘導(発生の過程で、隣接する胚葉を、特定の組織へ分化させる働き。)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
- 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂