【14】タンパク質の立体構造

タンパク質は、”アミノ酸“が“ペプチド結合”で連結した”ポリペプチド鎖“が、さらに折り畳まれてできている。

タンパク質を作る”アミノ酸“は20種類。ひとつのタンパク質は、数百〜数千個のアミノ酸が連結していて、その“組み合わせ”は膨大!

一次構造~四次構造

ポリペプチド鎖の折り畳まれ方は、アミノ酸の性質(親水性、疎水性、水酸基、カルボキシ基、アミノ基・・・などの有無)で決まる。たいていのアミノ酸どうしが引っ張り合う“水素結合“、側鎖に“S(硫黄)”を持つ“システイン”どうしの“S-S結合(ジスルフィド結合)など。

1950年代、アンフィンセンは『アミノ酸配列が決まれば、ポリペプチド鎖はその配列に応じた立体構造を“勝手に”作るのか?』との疑問に取り込んでいる。リボヌクレアーゼ(RNA分解酵素)を、2-メルカプトエタノール(2-ME)と尿素で処理すると立体構造が崩れる(失活する)が、2−MEと尿素を取り除くと再び元の立体構造に復帰する(活性を取り戻す!)ことを確かめた。

アンフィエンセンのドグマ

現在は、タンパク質によっては、単純にアミノ酸配列だけでなく、ポリペプチド鎖“正しく”折り畳まれる(フォールディング)を助けるタンパク質“シャペロン”も欠かせないことがわかってきている。

タンパク質の変性

【補足】

  • 熱に弱い”水素結合“
  • 熱に強い”S-S結合“
  • タンパク質の一次構造(アミノ酸配列)
  • タンパク質の二次構造(“ αヘリックス”と“βシート”)
  • タンパク質の三次構造(本格的な立体構造。ほどけば“1本のポリペプチド鎖”になる。)
  • タンパク質の四次構造(複数のサブユニットの組み合わせ。ほどくと“複数本のポリペプチド鎖”になる。)
  • フォールディング(ポリペプチド鎖が“正しく”折り畳まれること)
  • シャペロン(フォールディングを助けるタンパク質)

【参考資料】

  • 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
  • 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
  • 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
  • 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
  • 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂

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