【83】DNA複製フォーク
DNAポリメラーゼは、“既にあるヌクレオチド鎖(プライマー)”の3’末端に“新たなヌクレオチド”を付加することで、新生鎖を合成していく。
実際の細胞内では、リーディング鎖を合成するDNAポリメラーゼと、ラギング鎖を合成するDNAポリメラーゼは、DNAヘリカーゼと連結して一塊の“複製装置"となっている。
【補足】
- DNAヘリカーゼ(DNAの二重螺旋を“ほどく”酵素。)
- DNAポリメラーゼ(ヌクレオチド鎖の“3‘末端”に、新たなヌクレオチドを付加する“DNA合成酵素”。プライマーを“5‘末端”側から分解する“ RNA分解酵素”でもある。)
- DNAリガーゼ(DNAのヌクレオチド鎖の3’末端と5‘末端を連結する酵素。)
- プライマー(DNAポリメラーゼは、“すでにある”ヌクレオチド鎖しか伸長できない。先に短い RNAが鋳型ヌクレオチドに結合し、DNAポリメラーゼが結合するためのプライマー“釣り針”となる。)
- デオキシリボヌクレオチド3リン酸(ヌクレオチド鎖の材料となる。A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)をそれぞれ構成要素とするdATP、dTTP、dGTP、dCTPの四種類がある。いずれも2個のリン酸が外れてヌクレオチド鎖の3’末端に結合する。)
- 複製フォーク(DNA複製の際、二重螺旋がほどけて“二又のフォーク”の様な姿となる。)
- リーディング鎖(DNA複製の際、“複製フォーク”の根元に“3‘末端”を向けて伸長していく“新たなヌクレオチド鎖”。)
- ラギング鎖(DNA複製の際、“複製フォーク”の先端に“3‘末端”を向けて伸長していく“新たなヌクレオチド鎖”。)
- 岡崎フラグメント(ラグング鎖が伸長する際に、断続的に作られる短いヌクレオチド鎖。DNAリガーゼによって連結され、長いヌクレオチド鎖になる。)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
- 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂