【78】酵素反応と基質濃度
酵素の濃度[E]を変えずに、基質濃度[S]だけを変えると、“化学平衡に達するまでの時間”と“最終的な生成物量”が変化する。
全ての酵素が酵素-基質複合体となる程度まで十分に基質濃度[S]が高ければ、基質濃度[S]を多少変えても反応速度(最大反応速度:Vmax)は変わらない。
ただし、反応が進んで基質が少なくなり、酵素-基質複合体を作らない酵素が増えてくる(酵素と基質がなかなか出会えない)程度まで基質濃度[S]が低下すると、反応速度も低下する。
【補足】
- 代謝(生体内の化学反応。例えば”光合成“や”呼吸“など。)
- 触媒(化学反応を促進または抑制する物質。)
- 酵素(生体内ではたらく生体触媒。タンパク質を主成分としている。)
- 変性(加熱やpH変化などにより、タンパク質の立体構造が変化し、タンパク質の性質が変化すること。)
- 失活(酵素タンパク質が変性することで、触媒としての機能を失うこと。)
- 酵素-基質複合体(酵素の活性部位に、基質が結合した状態。)
- 最大反応速度(全ての酵素が酵素ー基質複合体を形成しているときの反応速度。)
- 基質特異性(それぞれの酵素タンパク質は特有の立体構造をもち、特に基質と結合する部分“活性部位”)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
- 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂