【53】興奮の伝達

興奮の伝達

ニューロンの軸索を興奮が“伝導”し、ニューロンとニューロンの間を興奮が“伝達”する。

シナプス
  1. シナプス小胞は、軸索内の微小管とモータータンパク質によって、神経終末まで運ばれている。
  2. 興奮が神経終末まで“伝導”してくると、神経終末の電位依存性カルシウムチャネルが開いて、カルシウムイオンが細胞内に流入する。
  3. シナプス小胞が神経終末の細胞膜と融合する(エキソサイトーシス)ことで、シナプス小胞内の神経伝達物質がシナプス間隙に放出される。
  4. シナプス後細胞のリガンド依存性チャネルが神経伝達物質と結合して開き、イオンが流入する。
  5. シナプス後細胞の樹状突起や細胞体の膜電位が変化する。
シナプスでの興奮の伝達

シナプスでは、シナプス前細胞が分泌した神経伝達物質(リガンド)は、シナプス後細胞のリガンド依存性チャネル(受容体)に結合するため、興奮は一方向にだけ“伝達”する。

一方、軸索では、膜電位の変化に伴って軸索のどの部分にも“活動電位”が発生する可能性があるため、興奮は両方向に“伝導”する可能性がある。

“伝導”は両方向(の可能性)

【補足】

  • 興奮の伝導(ニューロンの軸索を“興奮”が伝わること。)
  • 興奮の伝達(ニューロンとニューロンの間を“興奮”が伝わること。)
  • シナプス(ニューロンとニューロンの接続部分。)
  • シナプス前細胞(シナプスにおいて、興奮を発信する側のニューロン。)
  • シナプス後細胞(シナプスにおいて、興奮を受信する側のニューロン。)
  • 神経伝達物質(シナプス前細胞の神経終末から、シナプス間隙に分泌される。シナプス後細胞のリガンド依存性チャネルなどの受容体に結合すると、シナプス後細胞の膜電位が変化する。)
  • リガンド(受容体に特異的に結合する物質の総称。)

【参考資料】

  • 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
  • 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
  • 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
  • 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
  • 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂

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