【47】被子植物の配偶子形成
“花”では、雄しべの先端にある“葯”で“花粉”が、雌しべの根元にある“胚珠”で“胚のう”が、それぞれ作られている。
多くの動物では、減数分裂で作られた単相(n)の”卵細胞(雌性配偶子)”や”精細胞(雄性配偶子)”が、受精(接合)をして複相(2n)の受精卵となる。
一方、被子植物では、減数分裂で作られる単相(n)の”胚のう細胞”や”花粉四分子”は、そのまま受精することはない。
”胚のう細胞”や”花粉四分子”は、単相(n)のままで、さらに分裂を繰り返し、多細胞の”胚のう(雌性配偶体)”や”花粉(雄性配偶体)”となる。
【補足】
- 減数分裂(核相を半減させる細胞分裂。)
- 核相(核に存在するゲノムの数。ゲノムが一組なら”n(単相)”、ゲノムが二組なら”2n(複相)”と表現する。)
- 胚のう(種子植物の雌性配偶体。胚のう母細胞が減数分裂した後、さらに3回の核分裂を経てできる。卵細胞1個(n)、助細胞2個(n×2)、反足細胞3個(n×3)、中央細胞1個(n+n)、あわせて7個の細胞から構成される。)
- 花粉(種子植物の雄性配偶体。花粉母細胞が減数分裂した後、さらに1回の分裂を経てできる。花粉管核(n)と雄原細胞1個(n)で構成される。雄原細胞は受粉後に分裂し、2個の精細胞となる。)
- 配偶体(単相(n)&多細胞。配偶子を作る植物体。)
- 配偶子(単相(n)&単細胞。接合/受精して複相に戻る。)
- 胞子体(複相(2n)&多細胞。胞子を作る植物体。)
- 胞子(単相(n)&単細胞。胞子体から減数分裂で生じる。分裂して配偶体になる。)
- 核相交代(胞子&配偶体&配偶子の単相世代と、胞子体の複相世代を、交互に繰り返す。)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
- 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂