【28】DNA損傷と除去修復
DNA複製の際、DNAポリメラーゼが間違った塩基(ヌクレオチド)を付加してしまう誤り(ミスマッチ)や、紫外線や放射線、発癌性物質などの化学物質によって、塩基(ヌクレオチド)が置換や欠失してしまうことがある。

損傷したDNAの修復方法は様々で、DNA複製時のミスマッチをDNAポリメラーゼ自身が修正する“ミスマッチ修復”、損傷部分を除去&相補鎖を鋳型に新たに作り直す“除去修復”、相同染色体との組換えによって修復する方法などがある。

【補足】
- エンドヌクレアーゼ(ヌクレオチド鎖を“途中で”切断する加水分解酵素。特定の塩基配列を認識して切断する制限酵素も“エンドヌクレアーゼ”に含まれる。)
- エキソヌクレアーゼ(ヌクレオチド鎖を“末端から”分解する加水分解酵素。)
- DNAヘリカーゼ(DNAの二重らせん構造を解いて、2本のヌクレオチド鎖に分離する酵素。)
- DNAポリメラーゼ(DNA合成酵素/DNAのヌクレオチド鎖の3‘末端に、dNTPを付加する。)
- DNAリガーゼ(DNAの二重らせんのうち、切断されている側のヌクレオチド鎖を連結する酵素。3‘末端と5’末端を連結する。二重らせんを形成していないヌクレオチド鎖(一本鎖DNA)の端どうしを連結することは苦手。)
- dNTP(デオキシリボヌクレオチド三リン酸/DNAのヌクレオチド鎖の材料になる。塩基部分がアデニン/A、チミン/T、グアニン/G、シトシン/Cの四種類がある。)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
- 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂