【18】光合成~光化学反応

光合成は、葉緑体のチラコイドで「光エネルギーを使って、水を分解&ATPを合成する」前半と、葉緑体のストロマで「二酸化炭素をグルコースを合成する」後半の2段階に分けられる。

光合成の”2つ”の段階

光合成/前半(チラコイドでの反応)では、チラコイド膜に埋め込まれた”光合成色素”と”膜タンパク質”を主役に、①水を分解(光化学系Ⅱ)、②チラコイド内に水素イオンを運び込む(電子伝達系)、③NADPの還元(光化学系Ⅰ)、④ATPの合成(光リン酸化)が進む。

チラコイド膜と電子伝達系
チラコイド膜と電子伝達系

一連の反応は、”光エネルギー”を受け取った”衝撃”で電子を手放してしまった2カ所(光化学系Ⅰ&Ⅱ)のクロロフィルaが、それぞれ再び電子を取り戻そうとすることを”きっかけ”に同時進行する。

チラコイドでの反応

”光化学系Ⅰのクロロフィルa”は、手放した電子がNADPに奪われてしまうので、”光化学系Ⅱのクロロフィルa”が手放した電子を自分のものにする(③NADPの還元)。その電子が"光化学系Ⅱ"から"光化学系Ⅰ"に流れる途中で、水素イオンをチラコイド内に運び込まれ(②電子伝達系)、”光化学系Ⅱのクロロフィルa”は水から電子を奪い取る(①水の分解)。

ストロマでの反応

光合成/前半(チラコイドでの反応)で調達した”NADPH+H+”と”ATP”は、光合成/後半(ストロマでの反応)のカルビン-ベンソン回路を”回す”ために使われる

【補足】

  • 光化学反応(光エネンルギーを原動力として、葉緑体のチラコイドで進行する一連の反応)
  • 光化学系Ⅱ(光エネルギーを受け取った”衝撃”で電子を手放してしまったクロロフィルaが、周囲の膜タンパク質と共謀して”水”から電子を奪い取る。)
  • 電子伝達系(光化学系Ⅱから光化学系Ⅰに電子が流れる途中で、水素イオンをチラコイド膜の内側に運び込まれる。)
  • 光化学系Ⅰ(クロロフィルaが光エネルギーを受け取った”衝撃”で手放した電子を、周囲の膜タンパク質の助けを借りたNADPが奪い去る。クロロフィルaは、光化学系Ⅰが手放した電子を、電子伝達系を経由して譲ってもらう。)
  • ATP合成酵素(電子伝達系によってチラコイド内に詰め込まれた水素イオンを流し出す”勢い”で、ATPを合成する。)
  • 光リン酸化(光合成では、光エネンルギーをもとにATPが合成される。)
  • NADP(”光合成”で活躍する電子受容体。”呼吸”で登場するNADとほぼ同じ構造をしている。)
  • Rubisco(RuBP-カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ。通称”ルビスコ”。"光合成"の後半の反応”カルビン-ベンソン回路”で、RuBPに炭酸を付加する酵素。)
  • 光呼吸(光条件が良くATPもNADPHも十分にある=RuBPも十分にあるのに、二酸化炭素濃度が低いと、Rubiscoは”炭酸固定酵素”ではなく”酸化酵素”としてはたらいてしまう。)

【参考資料】

  • 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
  • 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
  • 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
  • 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
  • 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂

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